髪の毛をカットしたり、お客様が求めているヘアスタイルにしたりするなど、広い意味で髪の毛のデザインを手がける仕事として美容師と理容師がいます。この2つの資格は国家資格で、必ず美容師や理容師の国家資格を取得しなければ、この2つの職業になることは出来ません。人の髪の毛を扱う美容師や理容師の仕事は、その人の頭髪をデザインすることでおしゃれや身だしなみに対応するだけではなく、頭髪のカットなどをすることでお客様の髪の毛の状態や頭皮の状態などをチェックして、それに基づいたヘアスタイルのアドバイスなどもします。また、髪の毛は日々成長しているので、身だしなみを整えるという点からしても、美容師や理容師の資格はとても重要な資格ということが出来ます。

ヘアケアマイスターとは

今は、これに加えてヘアケアマイスターという資格があります。もともとヘアケアマイスターという認定資格が創設された背景としてはインターネットが浸透することによって、社会全体の仕組みやパラダイムが大きく変化し、その結果お客様が成熟化して、美容室で受けるサービスに対して知識も豊富になってきたとともに、強い関心をもつようになり、納得行く説明を求めるようになったということです。つまり、美容師も生半可な知識をお客様に提供しても、お客様もそういうことには全く納得しなくなり、そういう対応ではサービスの質の低下を招ねきかねないということもあります。そのため、そういったお客さまのニーズに対して、しっかり対応しましょうということから、ヘアケアマイスターの認定制度が立ち上がりました。ヘアケアマイスターの認定制度を立ち上げることで、優秀なヘアケアマイスターを育成して、美容室においてはお客様が求めるヘアケアの技術の提供だけではなく、サービスの質を向上することで、よりお客様に対して満足度を高めてもらうということもヘアケアマイスターの存在意義です。

ヘアケアマイスターの試験内容について

では、実際にヘアケアマイスターになるためにはどうしたらいいのかということをご説明します。

まずヘアケアマイスターになるためには日本ヘアケアマイスター協会が実施する試験に合格する必要があるのですが、ヘアケアマイスターにもランク付けがあり、
・プライマリーコース
・ミドルコース
・マイスター一次二次コース
の3つコースと4つの試験があります。
ヘアケアマイスターの試験は協会編集の公式教則本「ヘアケアマイスターブック」より出題されます。テストは、マークシート方式(100問)で、試験時間=1時間となります。ヘアケアマイスターの試験の合格ラインはプライマリー・ミドル75点以上、マイスター1次・2次85点以上となります。

次に個別の試験範囲ですが、プライマリーコースの場合は、公式教則本「ヘアケアマイスターブック」の1章から3章から出題されます。具体的には、毛髪の健康について出題され、1章「毛髪化学編」、2章「毛髪のカウンセリング」、3章「ヘアケア剤編」が出題範囲となります。ミドルコースの場合は、プライマリーコースの内容に加えて、公式教則本「ヘアケアマイスターブック」の6章と7章が出題範囲となります。具体的に6章は「ヘアカラー剤編」、7章は「パーマ剤編」となり、この5つの中から出題となります。

マイスター1次コースは、公式教則本「ヘアケアマイスターブック」のすべての内容が出題範囲となります。具体的にはプライマリーコースとミドルに加えて、4章「スキャルプケア編」と5章「皮膚化学編」の知識が必要になります。

最後にマイスター2次コースの場合は、今まで習ってきた実務知識に加えて、コミュニケーションスキルが求められますので、別途2次試験のテキストから出題という流れになります。